ICU⑦
「ご飯ですよ。起こしますねー」
と、ベッドの頭が上昇。
痛いし、むせ込むし、ご飯なんて食べれないし。でも、どうやら私の意見は関係なく、目の前にお膳が来た。
何も手をつけずいるところに家族が来た。
声も出ないし、嬉しいという事もなく、聞かれることに頷くしかない。
手術で体に水が溜まり体重はプラス6キロで顔も体もパンパンに浮腫んでいたと聞いた。
「さぁ、奥さんどーれだ?」と聞かれても分からなかったと主人が話していた。
元々パンパンなのですが、なるものなんですね。それ以上のパンパンに。笑
たった10分の面会、絶対に人前で私に触れない夫が、帰る間際に手を握って「頑張ろう」と言った。
「アンタ、何を頑張るんだ?」
と、心の中でツッコミを入れたと同時に
相当な心配量だったのだと、悲しくなった。